ドイツのど真ん中!

ドイツのど真ん中、ゲッティンゲンやアイヒスフェルトを紹介しています。

ディンケル(スペルト小麦)のパン

日本では高級な食パンがブームのようで、私が現在暮らす東京都内の最寄りのJRの駅近くには、ここ数年で何軒か食パン専門店がオープンしました。食に敏感な人たちや意識高い系の人たちが食パン専門店のお客さんなのではないでしょうか。

私自身も朝食に食パンをトーストして、ドイツからお土産に買ってきたヒムベアー(キイチゴ、ラズベリー)のジャムを塗って食べていますが、食パンそのものはスーパーで買った大手パンメーカーのもので、わざわざ専門店の高い食パンを買って食べたことはありません。

日本人には人気の食パンですが、日本を訪れるドイツ人は苦手だというのをインターネットの記事で以前読んでことがあります。なんでも、食パンの味のなさがドイツ人の口には合わないのだそうです。強い酸味のあるライ麦のパンがあるドイツならでは、ドイツ人のいう日本の食パンに味がないというのはよく分かる気がします。私もドイツ滞在中にはライ麦のパンを好んで食べています。

しかし今年初夏のドイツの旅では、時々パン屋さんでドイツ語で「ディンケル(Dinkel)」という種類のパンを買ってきて食べていました。

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食にアンテナを張り巡らせている方はすでにご存知でしょうが、ディンケルとは「スペルト小麦」という現在広く栽培されている小麦の原種です。古代小麦とも呼ばれているのではないでしょうか。栄養価も小麦よりも高いようです。そして、値段も1個80セント(約100円)と小麦のパンよりも少し高め。

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パンを割ってみると、中は小麦のパンとはちがい、真っ白というわけではありません。淡く褐色がかっていますね。味も、食パンや小麦のパンのプレーンな感じではなく、独特の深い味わいがあり、しっとりとした食感です。

しかし、ライ麦のような酸味はありません。この独特な味わいを文章ではうまくお伝えできないので、ドイツを旅行される方には実際味わってもらいたいと思います。

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ディンケル(スペルト小麦)のパンにはバターを塗って、以前にも紹介したゲッティンゲンの名物ソーセージ、フェルトキーカー(Feldkieker)をのせて食べました。

口に入れて噛むと、サラミにも似たフェルトキーカーと脂とディンケルの深い味わいが一体になります。ドイツの美味しい朝食の一品です。

高級食パンを買って自分はちょっとイケてると思っている方、ドイツのスペルト小麦やライ麦のパンにも挑戦してみてはいかがでしょうか?