今回ご紹介するエーリヒスブルク城(Schloss Erichsburg)は、紙のドイツの道路地図を眺めているうちに見つけた古城です。インターネットでエーリヒスブルク城を検索してみると、城のホームページも発見し、今年2019年のドイツの旅で実際に城を訪ねてみました。
エーリヒスブルク城があるのは、ビールの町アインベック(Einbeck)の西10kmほどのダッセル(Dassel)という町の郊外にあります。ご覧のように優美な塔を持つ、風格の感じられる古城です。以前紹介したヘルツベルク城(Schloss Herzburg)やザルツデアヘルデン城(Burg Salzderhelden)のヴェルフ家(Haus Welfen)の分家ブラウンシュヴァイク=リューネブルク家(Haus Brauschweig-Lüneburg)の城です。
もともとエーリヒスブルク城の近くにあったダッセル伯爵のフンネスリュック城を1521年にブラウンシュヴァイク=リューネブルク家のカレンブルク侯爵エーリヒ1世が攻略しました。破壊されたフンネスリュック城は修復されることなく、1527年から1530年に堀で囲んだエーリヒスブルク城を建設させました。城の名前はエーリヒ1世からではなく、1528年に生まれた息子エーリヒ(のちのエーリヒ2世)から付けられました。
エーリヒ2世の死後、城は甥のブラウンシュヴァイク=ヴォルフェンビュッテル侯爵家のユリウスに渡り、1602年から1612年にかけて拡張されます。
近代に入ってからエーリヒスブルク城は教会の施設としても使われていましたが、現在は個人の所有となっています。その所有者が城のホームページを開設しており、城の敷地内にある屋敷を宿泊施設にしたり、パーティーやセミナーの会場として貸し出すなどのビジネスを行っています。
私はレストランやカフェなども営業しているものだと勝手に思い込み、エーリヒスブルク城に出かけてみましたが、飲食施設はなく、門が閉まっていました。私の他にもサイクリングで城を訪れたカップルがいたのですが、全員写真だけ撮って門前払いとなってしまいました。城は常時営業しているわけではなく、事前に申し込んで宿泊できたり、パーティー会場として借りることができるようです。また、城そのものも修復中のようでしたし、関係者が庭の芝刈りをしていました。いつか城内に入ってみたいものです。
エーリヒスブルク城には入れなかったので、ダッセルの町に立ち寄ってみました。平日の昼間でひっそりと静まり返り、わずかに自転車で走る女の子たちがいました。典型的なドイツの片田舎です。
エーリヒスブルク城はドイツのここにあります。