ドイツのど真ん中!

ドイツのど真ん中、ゲッティンゲンやアイヒスフェルトを紹介しています。

アイヒスフェルトの伝統家庭料理 ルンペン・ウン・リューゼ

新型コロナウイルスの3度目の緊急事態宣言が再延長されて、他県に出かけることも憚られおる中、ドイツに行くなどまだまだ先の話です。

仕方がないので、しばらくは日本国内で買えるドイツのど真ん中のお酒を飲んだり、ドイツのど真ん中の料理を作ってこの息苦しいコロナ禍をやり過ごすことにしています。

今回は、先週末にドイツのど真ん中にあるアイヒスフェルト(Eichsfeld)という地域の伝統的な料理「ルンペン・ウン・リューゼ(Lumepen un Lüse)」にトライしました。

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フライパンで玉ねぎ、キャベツを炒め、ジャガイモを加え煮込みます

私はこれまで「ルンペン・ウン・リューゼ」という料理を食べたことがありませんでした。しかし、2000年台初頭のドゥーダーシュタット(Duderstadt)の観光案内パンフレットに写真が掲載されているのを長らく覚えていました。ただし、「ルンペン・ウン・リューぜ」という料理の名前は忘れており、最近になってようやくインターネットでその名前とレシピを見つけたのでした。そして、実際に作ってみました。ざっと説明すると、キャベツと玉ねぎを牛脂で炒めて、塩と胡椒で味付け、ディルシードで香り付けし、水とブイヨンで煮込みます、ジャガイモと牛肉の肉団子を20分ほどさらに煮込んで完成です。

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ルンペン・ウン・リューゼ

ドゥーダーシュタットに住む友人に聞いたところ、「ルンペン・ウン・リューぜ」とは、アイヒスフェルトで話されていた低地ドイツ語で「ボロ切れと虱(しらみ)」という意味です。煮込まれてクタクタになったキャベツとディルシードがボロ切れ虱に見えなくもありませんね。洗練された高級料理ではなく、貧しい庶民の食べ物だったようです。しかしその名前とは裏腹に、かなり美味しい一品です。牛脂と野菜の旨味、ディルの香りが渾然一体となり、今まで経験したことのない味でした。近日中にあらためて改訂版を作り、レシピをご紹介します。

ドイツ語を読める方はこちらのレシピを参考に作ってみてはいかがでしょうか。今回私の作った「ルンペン・ウン・リューゼ」は他のレシピも参考にして、いいとこ取りで作りました。リンクのレシピには、玉ねぎが使われていませんが、玉ねぎを加えた方が甘みが出て、美味しくなると思います。また、牛脂の代わりにラード、牛肉の代わりに豚肉、ディールシードの代わりにクミンシードを使ってもいいようですよ。ドイツ語のレシピで40分煮込むとなっていますが、日本のキャベツはドイツのキャベツに比べて、薄いので20分くらいでも大丈夫でしょう。