ドイツのど真ん中!

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バウムクーヘンを考える 3

今日書くことは、ドイツのことではなく、私たち日本人のことです。

バウムクーヘンというドイツケーキですが、これほど日本に馴染んでしまったケーキも他にないのではないかと思ったりします。

実際、ドイツの物よりも日本のバウムクーヘンの方がはるかに美味しいのです。

しっとりと食感と濃厚な卵の味とほのかな甘さ。

前回も書きましたが、バウムクーヘンはどうやらハルツ山地周辺が発祥で、ドイツ全土で食べらるようなメジャーなケーキではないのです。

一方日本では、全国で食べられるケーキとなっています。

私の故郷、仙台でもいろいろなお菓子屋さんが競うようにバウムクーヘンを製造し販売しています。

地方都市の菓子メーカーまでもがバウムクーヘンを作るのは、いったいどうしてなのかと思わず考えてしまいます。

考えるに一つは、卵や牛乳、砂糖でできた生地を焼き重ねてゆけばでき上る簡単さなのかもしれませんよね。他のケーキのようにクリームやフルーツをのせたり、重ねることもありません。なので、コストも抑えられるでしょうね。

しかし、何よりも私たち日本人が卵大好きだからなのでしょうね。

昭和の世代であれば、『巨人・大鵬・卵焼き』と言われるくらいに、卵がご馳走であり、好物でした。

平成の時代であっても、卵かけごはんは日本人の味覚をそそる食べ物の一つではないでしょうか。

生の卵をご飯にかけるなんて食べ方をする民族は他にいないのではないでしょうか。

(蛇足になりますが、ドイツで卵かけご飯をしようとしたら、ドイツ人にサルモネラ菌による食中毒の危険性があるからやめた方がいいと言われたことがあります。)

これほどまでの卵への愛があるから、バウムクーヘンは私たち日本人の舌にドンピシャりだったのではないかと思うのです。

そして本場ドイツ以上のクオリティーバウムクーヘンを作り上げてしまったのでしょうね。

この本場以上の物を作り上げてしまう日本人のこだわりがいいのかなと時々考えてしまうのですが…… 

ドイツで食べるバウムクーヘンがあんまりおいしく感じられなくなるのが、少々悲しくもあります。