ドイツのど真ん中!

ドイツのど真ん中、ゲッティンゲンやアイヒスフェルトを紹介しています。

似て非なるもの

昨夜、外国にあるデタメラな寿司屋や武道教室にその道の第一人者を潜入させ、ちゃんとした寿司や武道を伝授する、というテレビ番組をやっていました。

潜入先の寿司屋や武道教室のオーナーは専門的に修行をしたこともなければ、知り合いの日本人からちょっと教えてもらった見よう見まねのレベルです。
ドイツのど真ん中、ゲッティンゲンにも日本食レストランがあります。私の記憶が間違っていなければ、韓国人のやっているお店だったと思います。
昔、一度だけそこで寿司を食べたことがありますが、ミニチュアサイズの鮪の握りが出てきて、びっくり、がっかりしたものです。以来、二度とその日本食屋には行っていません。
今夏のゲッティンゲン滞在では、もう1軒寿司を出すお店がオープンしているのに気づきました。しかし、当然のことながらその店にも行きませんでした。がっかりさせられるのは目に見えていましたから。
しかしながら、こうした外国のデタラメ寿司屋やインチキ空手教室を私たちはあまりとやかく批判もできないかもしれません。
日本のスパゲティーナポリタンや宅配ピザは、イタリア人からすれば、とんでもイタリア料理であり、それが完全に日本国内で定着してしまっているのです。そして、それを日本人の味覚に合わせて日本独自の進化を遂げたなどと都合のよい言い訳して正当化しているではないでしょうか。
日本にだってアイルランドに行ったことのない人がアイリッシュパブをやっていたり、なんちゃって外国料理店はいくらでもあり、あまり人のことを言えないよなぁ、とこの番組を見るたびに思うのです。
このブログを始めたばかりにも書きましたが、日本全国で製造販売されるドイツ由来のバウムクーヘンは似て非なるものだと私は思っています(特にバウムクーヘンを「バームクーヘン」と表記されると、それはちがうよなぁ、と思います)。
幸いなことは、日本人が真面目で研究熱心で、細部や材料にものすごくこだわっているために、かなりの完成度に達していることです。
一方で、外国のデタラメ寿司屋は概ね個人、あるいは家族経営のかわいいレベルなのに対して、日本のナポリタンや宅配ピザバウムクーヘンも大量生産品として広く出回り、本場から潜入調査されて、お仕置きされたとしても、もう改めようがありません。
番組では正しい寿司や正しい武道を教えるのだとお節介を焼いていますが、私たちだって外国の文化を正しく理解もしてなければ、むしろ都合よく曲解しているのではないでしょうか。
最近の日本文化をやたらと賛美するテレビ番組には疑問を抱いてしまいます。