今年春のドイツの旅ではパン博物館やソーセージ博物館を訪れましたが、ビールの町にも出かけてみました。ドイツのど真ん中にある大学町ゲッティンゲンの北30kmほどにあるアインベック(Einbeck)がビールの町なのです。
アインベックの町は以前にもたびたび紹介しているアイヒスフェルト(Eichsfeld)にあるドゥーダーシュタット(Duderstadt)に勝るとも劣らないたくさんの木組みの家があります。
こちらは町の中心部。画像中央、円錐のとんがり屋根の建物が中世の市庁舎。
アインベックの町は自らを Einbeck Stadt der Brau- und Fachwerkkunst アインベック、醸造技術と木組み建築の町と謳っています。
こちらがアインベックのマルクト広場(Marktplatz)。
ビールの都といえば、9月の終わりから10月の上旬にオクトーバーフェストが開かれるミュンヘンでしょうが、アインベックの醸造職人がミュンヘンに招かれてビールの醸造の技術を伝えたともいわれています。
中世のアインベックはハンザ同盟の都市となり、質の高いビールはヨーロッパ各地に輸出されました。また、宗教改革者のマルティン・ルターもアインベックのビールを「最高の飲み物だ」とも言って褒めています。
また、ボックビアール(Bockbier)というアルコール度数の強いビールの「ボック」はアインベックの「ベック」が訛ったものだともいわれています。
ずいぶん傾いていますが、木組みの家の大きな扉はビールを醸造する釜を運び入れるために大きく作られたそうです。それは同時に、中世のアインベックでビール醸造の権利を持つ豊かな市民であったという証でもありました。
アインベックの旧市街の外にアインベッカー・ブラウハウス社の本社と工場があります。
醸造所の工場の壁面には、
ohne Einbeck gäb's kein
Bock-Bier
アインベックなしに
ボックビールはなかったであろう
醸造所の敷地内には、ビールのファン・ショップがあり、出来立てのビールやグラス、アインベッカーのロゴの入ったTシャツやジャンパーなどのグッズを買うことができます。
この日、私はレンタカーでアインベックを訪れたのでビールを飲めませんでしたが、ビアグラスをお土産に購入し、後日アインベッカーのビールを飲みました。