ドイツのど真ん中にあるアイヒスフェルト(Eichsfeld)と呼ばれる地域は冷戦の頃は東西のドイツに分断されていました。
東側のアイヒスフェルトの中心的な町がハイリゲンシュタット(Heiligenstadt)。ハイリゲンシュタットを文字通り訳すならば、「神聖なる都市」になりますが、元々の語源としては、heilige Stätte(神聖なる場所)でゲルマン人の神聖な場所だったということのようです。
さて、西側のアイヒスフェルトの中心地はドゥーダーシュタット(Duderstadt)という町で、とても変わった響きの名前です。このドゥーダーシュタットですが、どうにも訳すことができません。というのも、この町には名前がなかったからなのだそうです。
ドゥーダーシュタットには、その名前に関するおもしろい言い伝えがあります。
昔、二人の兄弟が町を築き、やがて町に人々が移住して繁栄してきました。
しかし、町にはまだ名前がありません。
弟が兄に町の名前を決めてくれ、と頼みました。
兄はしばし考えて弟に言います、「お前が町にその名を授けよ」。
この、お前がその名を授けよのドイツ語、"Gib DU-DER-STADT den Namen"から DUDERSTADT という名前になってしまったのだそうです(ドゥーダーシュタットの市が発行する観光案内パンフレットより)。言い伝えには3人兄弟のバージョンもあります。
この日は、ドゥーダーシュタットでは春の市が開かれて、たくさんの人で賑わっていました。