以前、ゲッティンゲンやアイヒスフェルトで食べられている名物のソーセージ「シュトラッケ」をこのブログで紹介したことがあります。今回は、ドイツのど真ん中の名物ソーセージをもう一つ取り上げてみようと思います。
それが上の画像のボテッとした形の「フェルトキーカー(Feldkieker)」というソーセージで、「フェルトギーカー(Feldgieker)」とも言います。低地ドイツ語で「平原を見る者」という意味なのですが、ドイツのど真ん中あたりの農民が畑仕事にこのソーセージを持っていき、その荷物からのぞいて見えたことからフェルトキーカーと呼ばれるようになったという説があります。Feldはドイツ語でも低地ドイツ語でも畑、草原、平原の意味で、Kiekerの動詞 kiekenは、低地ドイツ語で見るという意味です。
昨年12月はじめにヴェラ川沿いのエシュヴェーゲ(Eschwege)の町を訪れた日は土曜日で、町の目抜き通りでは市が開かれ、エシュヴェーゲの近郊に住む地元の人が乗用車でも牽引できそうな小型のトレーラーをお店にして、ソーセージを売っていました。
フェルトキーカーは極太のソーセージで、ドイツの滞在日数が残り3日となり、丸々1本を私一人ではとても食べきれないので、半分にカットされていた物を買いました。1/2本で6.50ユーロくらいでした。丸々1本では13ユーロほど(量り売り)です。
袋から取り出すと、熟成された肉の野性味溢れる匂いがします。
以前、紹介したシュトラッケとは、中身の豚のひき肉と調味料は同じで、このゴロッとした形に詰められ熟成されると、フェルトキーカーになります。
味はイタリアのサラミに近いのですが、強烈な肉の味を楽しめます。
たっぷりの厚さに切ってパンにのせて食べました。パンとフェルトキーカーの間にはバターなどの脂を塗ると、より肉の味を楽しめるので、お勧めします。
今回食べたフェルトキーカーは、以前紹介した塗るソーセージような生感がありました。ドイツに来て肉と脂を食ってるなぁ、という実感を得られます。
ニーダーザクセン州のアイヒスフェルトのウンターアイヒスフェルトでは、仔牛の膀胱に豚肉を詰めて熟成させる「ケルバーブラーゼ(Kälberblase)」というソーセージもあります。これは日本語に訳すと、文字通り「仔牛の膀胱」という意味。
ゲッティンゲンのソーセージメーカー、ベーナー・アイゼナッハ社からは薄くスライスされてパックされた手頃なフェルトキーカーが発売されています。ゲッティンゲン市内のスーパーで1.69ユーロくらいの値段で買うことができました。
ゲッティンゲンやドイツのど真ん中に滞在される方に、一度食べてもらいたいソーセージです。
肉屋さんごとにレシピもちがい、食べ比べるのも楽しいでしょう。