ドイツのど真ん中!

ドイツのど真ん中、ゲッティンゲンやアイヒスフェルトを紹介しています。

ムリンツィとブリヌィ

緑色が鮮やかなウクライナのクレープ料理

先日ウクライナから避難してきた人たちが働くウクライナカフェで食事をしました。この日は上の画像の「ムリンツィ」というクレープの料理を食べました。緑色はほうれん草が練り込んであり、こんなにも鮮やかな色をしているのです。クリームチーズやマッシュルームを焼き上がった生地で巻いてあります。その生地はもちもちの食感で、とても美味しい、大満足のランチになりました。

しかしムリンツィを食べながら、「あれ、これ何か食べたことあるなぁ……」と私は思いはじめたのです。もちもちとした生地の食感はロシアの「ブリヌィ」だと思い出しました。

かつて私がゲッティンゲンの学生寮で暮らしていた頃、ロシアの飛び地カリーニングラード(ドイツ名はケーニヒスベルク)からやって来たロシア人の留学生がブリヌィを大量に焼いてご馳走してくれたのです。アレックスとサーシャという優しそうな顔をした男子の留学生で、二人ともアレクサンドルというのが正式な名前。二人はケフィアを混ぜた生地をフライパンで薄く焼き、100枚ものブリヌィを作ったのでした。それをサワークリームクリームチーズヌテラを塗って巻いたり畳んだりして食べました。

ウクライナもロシアもソ連の構成国だったのだから、名前がちがっても同じような食べ物があるのは何の不思議もありません。

2023年にウクライナの人たちが作ってくれたムリンツィを食べて、20年以上も前にブリヌィを焼いてくれたロシア人の若者を思い出しました。あの二人のロシア人は今どこで何をしているだろうか、ウクライナの戦場で命を落としてはいないだろうか、と気になりました。ロシアの老人たちが引き起こした戦争でウクライナやロシアの多くの人たちが命を落としているのが本当に愚かしくてなりません。