我が国、日本には滋養強壮に良い薬用酒があります。
テレビCMで宣伝している赤いラベルのお酒です。
ドイツにも滋養強壮ではないのですが、似たようなお酒があります。
薬草のリキュールで、代表的なものはカーレースのスポンサーにもなっているイエーガーマイスター(Jägermeister: 猟師の親方という意味)ですね。
イェーガーマイスターをはじめとする薬草酒は消化を助けるお酒として、重たい肉料理を食べた後にグッと一気に飲むものですが、まるで強烈ミントのマウスウオッシュのような味のする、ものすごく苦く、飲み下すのも一苦労なお酒です。何かの罰ゲームにでも使えそうなお酒です。
そんなドイツの薬草酒の一つにハルツ山地で作られているものがあります。
その名は、シーアカー・フォイアーシュタイン (Schierker Feuerstein)。
我が国の薬用酒と同じく赤いラベルのお酒です。
今年の夏にハルツ山地を訪れた時、ヴェルニゲローデのお土産屋さんで買ったもので、20mlのベビーボトルで1ユーロくらいだったと記憶しています。
アルコール度数は35%。
このシーアカー・フォイアーシュタインは、ザクセン・アンハルト州のシーアケ(Schierke)
という町で今から100年ほど前にヴィリー・ドルーベという薬剤師の手によって生み出されました。こう聞くと、なんだか健康にもいいお酒のようにも思えてきます。公式ホームページによると、冷凍庫でキンキンに冷やして飲むことを推奨していますが、先日、私は室温の状態で飲んでみました。
すると、イェーガーマイスターよりも苦くはなくスルスルッと一気に喉を滑り落ちていきます。意外と美味しい!心地よい苦みと胃の腑から立ち上がってくるミントの香りがとても心地よく、薬草酒のイメージがガラリと変わりました。
これは大いにおすすめの薬草酒です。
「シーアケ・フォイアーシュタイン」という名前は、シーアケの町にあるフォイアーシュタインクリッペ (Feuersteinklippe:炎の岩の断崖)という奇岩にちなんでいます。お酒のラベルにもその奇岩が描かれていますね。
ドイツ国内の酒屋さんやスーパーのお酒売り場で比較的手に入りやすいお酒ですので、興味のある方は一度お試しを!