日本ではあまり報じられなかったようですが、先月の終わりから今月にかけてドイツのど真ん中、ゲッティンゲンで新型コロナウイルスの100人を超える大規模な集団感染が起きていました。人口が13万人ほどのゲッティンゲンで100人超の感染はかなりの衝撃だったでしょう。
クラスターが発生したのは、以前このブログで紹介したゲッティンゲン市内のメルヘン街道の標識のすぐに近くにある高層アパート。ゲッティンゲン大学のキャンパスであるプラッツ・デア・ゲッティンガー・ズィーべン(Platz der Göttinger Sieben: ゲッティンゲン七教授の広場)の道路を挟んだ向かい側で、1階にはお洒落なカフェ・レストランやダンスを楽しめるクラブ(ディスコ)も入る建物です。イスラム教のラマダーン(断食月)明けのパーティーや水タバコでウイルスの感染が一気に拡大したようです。また、ゲッティンゲンの駅を挟んだちょうど反対側にある別の高層アパートでもクラスターが発生しました。自宅待機が緩和され社会生活が再開されると、何かのきっかけに一気に感染は広まり、新型コロナウイルスは恐るべしです。
また、ゲッティンゲン以外にドイツ西部のノルトライン・ヴェストファーレン州の食肉工場でも1000人を超える大規模なコロナウイルスの集団感染も起きています。食肉工場では低賃金の外国人労働者が大勢働いていたようです。アメリカからはじまり世界に拡大した人種差別反対デモですが、ドイツではコロナが絡んだ人種や民族、宗教への差別が起きるのではないかと心配になります。
ドイツは新型コロナウイルスに対して感染が広がる前に備えて、十分な病床を確保していたとイタリアやフランス。スペインに比べて高く評価されていたので、このゲッティンゲンでのクラスターは驚きでした。
今日で6月も終わり、2020年も折り返しです。日本人のEUへの入国もそろそろ認められそうですが、ワクチンや特効薬がまだ開発されていないこの状態でドイツを旅してもきっと楽しくはないでしょうね。マスクをつけてドイツ旅も本望ではありません。残念ながら今年はドイツのど真ん中へ行けないかもしれませんね。コロナが一日も早く収まるといいのですが……