ドイツのヘッセン州北部にあるバート・ゾーデン・アレンドルフ(Bad Sooden-Allendorf)という町の北には、シフラースグルント国境博物館(Grenzmuseum Schifflersgrund)があります。
この辺りにはかつて西ドイツと東ドイツの国境がありました。
博物館の敷地には、ご覧のようなアメリカ軍のハーフトラックをはじめ、東西両陣営のヘリコプターや戦車などの軍用車両が数多く展示されています。
東西冷戦時の兵器や資料を見学する以外に旧東西ドイツの国境を身近に眺めることもできます。
この谷間の窪地をシフラースグルント(Schifflersgrund)といいます。
東西ドイツの国境のフェンスが1.5kmにわたり、当時のまま残されています。
1982年3月、当時34歳だった東ドイツの土木技術者ハインツ・ヨーゼフ・グローセがトラクターでフェンスに突っ込み、西側への逃亡を試みました。彼は画像左側の斜面を駆け上がり西ドイツを目指しましたが、東側の国境警備隊によって射殺されました。
グローセが倒れたと思われる場所には十字架があります。オリジナルのサイズで画像をアップしましたので、画像をクリックして拡大して探してみてください。
博物館の敷地には彼が実際に逃亡に使ったトラクターも展示されています。
東ドイツのテューリュリンゲンの山々とソ連のT-34戦車をバックに、東ドイツの国境を示す柱を二つの手がへし折る、分断されたドイツの克服を記念するモニュメントも飾られています。
ベルリンの壁が崩壊し、東西ドイツの国境の自由な往来ができるようになって来年で30年。この機会にベルリンの壁やチェックポイント・チャーリー以外の国境地帯を見学するのもおすすめです。
シフラースグルント国境博物館への行き方は、鉄道でバート・ゾーデン・アレンドルフ(Bad Sooden-Allendorf)へ行き、駅前のバスターミナル(ZOB)からAのバスに乗り、ロッケンロート(Rockenroth)で下車し、徒歩で博物館まで行くか、駅から定期便の乗合タクシー(AST: AnrufSammel Taxi)の229.5番が国境博物館まで運行しています。30分前までに 0800-939-0800 に電話予約するか、auskunft.nvv.deでネット予約できます。
12月24日のクリスマスイブと大晦日が休館。午前10時から17時まで。
入館料が大人5ユーロ。
シフラースグルント国境博物館はドイツのここにあります。