このブログはドイツのど真ん中について紹介しています。
現在は“ドイツのど真ん中”であっても、今から30年以上も昔は東西ドイツの辺境地帯、つまりは二つのドイツの国境でした。
それが今から30年前のベルリンの壁崩壊し、やがて東西のドイツは再統一され、辺境はドイツのど真ん中に位置するようになったのです。
これまですでにアイヒスフェルト(Eichsfeld)と呼ばれる地域にある国境地帯博物館ついては何度も書いてきましたが、今年のドイツの旅ではもう一つの国境博物館にも行ってきました。
もう一つの国境博物館は、アイヒスフェルトの国境地帯博物館の南西35km、
バート・ゾーデン・アレンドルフ(Bad Sooden-Allendorf)という町の郊外にある山の上にあります。その名はシフラースグルント国境博物館(Grenzmuseum Schifflersgrund)といいます。
この国境博物館は現在のヘッセン州(旧西ドイツ)とテューリンゲン州(旧東ドイツ)の州境にあります。ちなみにアイヒスフェルト国境地帯博物館はニーダーザクセン(旧西ドイツ)とテューリンゲンの州堺にあります。
物々しいゲートを通って敷地に入っていくと、旧東ドイツの国境を示す柱やトーチカ、サーチライトを見ることができます。
シフラースグルント国境博物館の特徴は冷戦時代の東西両陣営の兵器を数多く展示していることです。
ソビエト製の大型ヘリコプターと戦闘ヘリコプターが展示されており、
大型ヘリの後部ハッチが立体的な観音開きでフルオープンになっており、中に乗り込むことができます(ただし、コクピットには入れません)。大変迫力のあるヘリコプターです。私は軍事マニアではないので、この大型ヘリの名称や型式は不明なのですが、兵員輸送へリでしょう。詳しい方はぜひご教示ください。
こちらは戦闘ヘリのMi 24(シフラースグルント国境博物館のパンフレットより)。戦闘ヘリとは思えないとてもユニークな造形をしていますね(このMi 24には乗り込むことはできません)。
西ドイツの国境警備隊のヘリコプターも展示されています。
のどかな山や森を背景にソビエト製と思われる履帯を外されたT-34戦車や軍用トラックが並んでいます。青空に白い雲浮かぶ穏やかな日に兵器とはとても似つかわしくはないのですが、ベルリンの壁が崩壊する前は東西ドイツ国境地帯の現実だったのでしょう。
シフラースグルント国境博物館への行き方は、鉄道でバート・ゾーデン・アレンドルフ(Bad Sooden-Allendorf)へ行き、駅前のバスターミナル(ZOB)からAのバスに乗り、ロッケンロート(Rockenroth)で下車し、徒歩で博物館まで行くか、駅から定期便の乗合タクシー(AST: AnrufSammel Taxi)の229.5番が国境博物館まで運行しています。30分前までに 0800-939-0800 に電話予約するか、auskunft.nvv.deで予約できます。
12月24日のクリスマスイブと大晦日が休館。午前10時から17時まで。
入館料が大人5ユーロ。
シフラースグルント国境博物館はドイツのここにあります。