現在のドイツ(ドイツ連邦共和国)のど真ん中あたりにアイヒスフェルト (Eichsfeld) という地域があります。
メルヘン街道にある大学町のゲッティンゲンから東の方へ山を一つ越えていくと、平地とどこまで丘の連なる風景が開けます。そこがアイヒスフェルトです。
日本人をはじめ外国人観光客もほとんど立ち寄らない、観光の目玉も特になく、はっきり言ってしまえば、つまらない土地です。
しかし、私はこのアイヒスフェルトをとてもおもしろいと思いました。
というのも、冷戦の頃、まだドイツが西と東に分かれていた時には、アイヒスフェルトも二つに分断されていました。
ドイツが統一された今でも、三つの州にまたがっているのです。ニーダーザクセン、ヘッセン、そして旧東ドイツ側のテューリンゲンの3州です。
旧東西ドイツの国境だった場所には、かつて検問所があり、現在では国境地帯博物館になっています。その近くには、鉄条網もあるはずです。
宗教的にも興味深く、ゲッティンゲンはルターの宗教改革によってプロテスタントとなりましたが、アイヒスフェルトはプロテスタントとなった後、反動宗教改革で再びカトリックの地域となりました。
ドイツの中でも取るに足らない地域のアイヒスフェルトですが、様々な顔を持っており、私は大好きになってしまいました。
これから少しずつアイヒスフェルトのことを書いていこうと思っています。