先日、ドイツ人の知人からライ麦のパン、プンパーニッケル(Pumpernickel)をいただきました。プンパーニッケルはドイツ西部ヴェストファーレン(Westfalen)地方発祥のパンです。ヴェストファーレンは世界史で習ったウェストファリア条約のウェストファリアのことですね。
さて、袋を開封してみると、真っ黒で全粒と粗挽きのライ麦がぎっしりと詰まっています。
ドイツパンにありがちな〇〇ブロートでなく、プンパーニッケルという変わった名前について私の親友ラインハルトがかつてその由来を教えてくれました。
ナポレオンのフランス軍がドイツを占領していた頃、美食の国フランスからやって来た将軍には、この真っ黒なパンは見るからにまずそうで、彼の愛馬ニックの餌にはよかろう、とフランス語で bon pour Nick(ボン・プール・ニック)と言ったのだか。それが訛ってプンパーニッケルになったのだそうです(プンパーニッケルの名前の由来には諸説あります)。
フランスの将軍が言ったように不味そうなパンで、そのまま食べてもあまり美味しくはありません。プンパーニッケルのようなライ麦のパンにはバターを塗って膜を作って、何かをのせたり、塗ったりするのがといい、とラインハルトはかつて教してくれました。今回はバターの膜の上にフランスのブリーチーズをのせていただきました。
いわゆる小麦の食パンに慣れた方には、ライ麦のパンは酸っぱい味がして変な感じがするかもしれませんが、はまるとけっこう美味しいパンです。
さらに、昨年10月に3年ぶりに来日したブレーメン在住の友人から頂いたシュヴァルタウ社のキイチゴのジャムでもプンパーニッケルをいただきました。酸っぱいライ麦のパンに甘酸っぱいキイチゴのジャムはとても相性がよく、私の大好きな組み合わせです。
プンパーニッケルは全粒と粗挽きのライ麦のパンなので、かなり重たく、お腹に溜まります。とても満足感がありました。
黒くて、一見不味そうですが、慣れるとけっこう美味しくて、時々食べたくなるパンです。
日本のスーパーマーケットでもドイツのプンパーニッケルを扱っているところがありますね。