ドイツのど真ん中!

ドイツのど真ん中、ゲッティンゲンやアイヒスフェルトを紹介しています。

専門バカにはなる勿れ

日本語に「専門バカ」という言葉があります。特定の分野には精通しているけれども、それ以外のことや社会常識が欠落している人のことを指す言葉です。

ドイツ語にもまったく同じ意味の言葉があり、Fachidiot(ファッハイディオート)といいます。ファッハが専門、イディオートがバカ、愚か者という意味で文字通り、専門バカ。日本語の専門バカはドイツ語から翻訳されたのではないかと思うほどです。

飾り付けた台車に乗せられてゲッティンゲン大学から新人博士がガチョウ娘の像に到着した

さて、かつてドイツのど真ん中ゲッティンゲンで暮らしていた時に専門バカなのだろうなという感じの人たちに出会ったことがあります。ゲッティンゲン大学はかつてのドイツの四大大学で、学術的な伝統があり、町は大学都市。お世話になったある教授は学者としてはすごい人なのだろうけれど、一般社会では生きてはいけない人なのだろうなと思える方でした。

カメルーン人の友人はある教授に博士号の取得を何年も妨害されていました。学究の徒が人種差別するなど嘆かわしいことです。学問の自由はどこへいったのやら。

また、日本からゲッティンゲン大学にやって来たある研究者は「学術的協力」という訳のわからぬ言葉で人に支援を強要する人でした。それは「学術的協力」ではなく、アカデミックハラスメントだろうと言いたくなりました。浮世離れした大学という狭い世界で生きてきて常識を身につける機会がなかったのでしょうね。

自分の学位や業績、あるいは利益のために人を利用したり、どんな無理筋でも押し通そうとしたりする様は、まるでマッドサイエンティストのようですし、インテリの人たちがマウントを取り合う姿も実に見苦しいものです。

ゲッティンゲンは大好きな町なのですが、一般の社会からは乖離している感じがしており、また学生たちが多く、若者たちのノリについていけなくなることがよくありました。そんな時は普通の人たちが暮らすドゥーダーシュタットに出かけていき、学者ではない友達とお酒を飲んだものです。

学問を究めることは素晴らしいことですが、専門バカにはなる勿れと思いました。