ドイツのど真ん中!

ドイツのど真ん中、ゲッティンゲンやアイヒスフェルトを紹介しています。

ナチスの強制収容所へ 2

昨年12月、ドイツ冬の旅ではかつてのナチス強制収容所を訪れてみました。

強制収容所があったのは、ドイツのど真ん中ゲッティンゲンから20kmほど北北西にあるモーリンゲン(Moringen)という小さな町。
KZ-Gedenkstätte Moringen(モーリンゲン強制収容所記念施設)のスタッフのガイドで旧強制収容所を見学しました。
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ナチスドイツ時代の強制収容所をドイツ語では、Konzentrationslager(コンツェントラツィオンスラーガー)といい、一般的には、KZ(カーツェット)と略されます。

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前回のブログにも掲載しましたが、この建物が1933年から1945年まで強制収容所でした。そして、ここにナチスの親衛隊(SS)の司令部も置かれていました(ただし、1938年3月女子強制収容所が閉鎖され、1940年6月に青少年強制収容所が開設されるまでの2年の空白があったと思われます)。

ただし、ホロコーストの犠牲となるユダヤ人はここには収容されませんでした。反ナチスの運動をした政治犯や(ナチスドイツにとっての)社会不適格者の烙印を押されたドイツ人の男女、若者が収容され、軍需産業関連の強制労働に従事させられました。

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こちらが旧強制収容所の建物の側面。

第2次世界大戦後、強制労働に従事させられた人たちやドイツの敗戦により東ヨーロッパ各地で追放されたドイツ人の難民を収容する施設DPキャンプ(ドイツ語ではDP-Lager)に転用されました。このDPとは、Displaced Personsの略です。

現在は、ニーダーザクセン州Maßregelvollzugszentrum(マースレーゲルフォルツークスツェントルム)という物々しいドイツ語の名称の施設として利用されています。この施設は、精神鑑定が必要とされる犯罪者を収容する施設で、精神病院の閉鎖病棟のような役割をしているということで、立ち入りは厳重に管理され、そのために旧強制収容所でもあった建物の見学は事前に連絡が必要になっているのでした。

昔も今も人を閉じ込めておく施設というのは何とも皮肉なことです。

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強制収容所の時代の模型が展示されおり、モーリンゲンの収容所の全容が分かります。

当時の建物は正面入り口の建物など一部残し、多くの建物は取り壊されています。

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強制収容所だった建物を出て、南へ7、8分ほど歩いた町の南には墓地があり、一角には強制労働やナチス親衛隊の暴力で命を落とした人たちの墓があります。

上の画像はその犠牲者たちの慰霊碑です。

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この画像は、モーリンゲンの強制収容所で亡くなった人たちの墓です。

強制収容所から解放された人たちは社会不適格者の烙印を押されたせいで戦後も蔑視されて、名誉回復はなかなか進まなかったという話をガイドをしてくれたMさんという女性がしてくれました。

私は7年ほどゲッティンゲンに住んでいたことがありますが、近くにナチス強制収容所があったということをまったく知りませんでした。普段の生活の中では、話題に登ることもありませんでした。

ナチス強制収容所があったということは当然負の歴史であり、強制収容所の記念施設が整備されるのも1990年代に入ってからでした。モーリンゲンの町の人たちとって長らく触れたくない事実であり、公然の秘密でした。しかし現在では、ゲッティンゲンや近郊の児童・生徒は学校の社会見学で必ず訪れるそうです。

因みに、私をガイドしてくれたMさんは、ギムナジウム(日本の高校に相当する)を卒業して1年間、強制収容所記念施設のスタッフとして働いています。彼女はジャーナリストを志し大学に進学するつもりだと語ってくれました。

2018年冬のドイツの旅では、フリートラント の戦後帰還者の記念碑とモーリンゲンの強制収容所、ドイツのダークツーリズム2つを敢行しました。

次回のドイツ旅では、ドゥーダーシュタットにもあったという強制収容所を訪れてみたいと思います。また今回この強制収容所を訪れたことで、東ドイツノルトハウゼンにも強制収容所があったことが分かりました。

ナチス強制収容所があったモーリンゲンはドイツのここにあります。

      

モーリンゲンの旧強制収容所への行き方は、ゲッティンゲン駅前のバスターミナル(ZOB)から220番のモーリンゲン(Moringen)行きのバスに乗り、終点のモーリンゲン・アムツフライハイト(Moringen Amtsfreiheit)で下車し、ランゲ通り(Langetraße)を徒歩で北の方角に向かいます。強制収容所だった建物を見学したい方は、事前にこちらに電話かメールでの連絡が必要です。

モーリンゲン強制収容所記念施設のホームページはこちらをご覧ください。