ドイツのど真ん中!

ドイツのど真ん中、ゲッティンゲンやアイヒスフェルトを紹介しています。

ドゥーダーシュタットでナチスの痕跡を辿る 

Yahooブログから引っ越してきてから初めてのブログになります。

Hatenaのブロガーさん、読者の皆さん、よろしくお願いします。

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昔、ドイツのど真ん中にあるドゥーダーシュタット(Duderstadt)という小さな町に住む親友のラインハルトが「この町にもナチス強制収容所があったんだぞ!」と教えてくれました。

そのラインハルトは胃癌で2012年に亡くなってしまいましたが、これまでナチス強制収容所の話をしてくれたのは、彼がただ一人。すすんでその話題を口にする地元のドイツ人は誰もおらず、いわば公然の秘密であり、若い世代では自分の住む町に強制収容所があったことも知らないのではないでしょうか。

親友のラインハルトは、ナチス強制収容所がドゥーダーシュタットのどこにあったのかを語る前に亡くなってしまいました。しかし、彼の語った「この町にもナチの強制収容所があったんだぞ!」がずっと脳裡にあり、昨年あたりからインターネットでドイツのど真ん中にあったナチス強制収容所についてあれこれ調べ始めました。

そして、昨年冬のドイツの旅でモーリンゲン(Moringen)の強制収容所記念施設を訪れてました。また、今年初夏の旅では、ゲッティンゲンのナチス親衛隊(SS)の騎兵学校だった病院に出かけました。

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多くのユダヤ人が収容されたナチス強制収容所といえば、アウシュヴィッツダッハウ、ブーヘンヴァルトなどが有名ですが、それらの大規模な強制収容所以外に比較的規模の小さな強制収容所が多数存在したことが分かっています。

ドイツ中央部にある、人口2万人ほどのドゥーダーシュタットにかつて強制収容所があったのは、オイツェンベルク(Euzenberg)という地区です。現在は住宅地とインダストリアルパークとなっています。このオイツェンベルクで一番目についたのが、バーガーキングのドライブスルーです。極めて現代的なファーストフード店に、ここにかつてナチスドイツの強制収容所があったとは、信じられません。

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オイツェンベルクのインダストリアルパーク強制収容所があったのではないかと思われます。

現在はもう存在しないポルテ(Polte)という銃弾などを製造する会社の工場でハンガリー出身の750人のユダヤ人女性が強制労働に従事させられました。

ユダヤ人による強制労働は1944年の11月から1945年の3月とごく短い期間でした。そのようなこともあってか、現在ドゥーダーシュタットのオイツェンベルクに当時の強制収容所の痕跡を見つけることはできませんでした。

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Auf Wiedersehen Euzenberg(また会いましょう オイツェンベルク)と書かれた標識が目に入りました。ここに強制収容所があったのだと思うと、この標識に背筋がゾクッとしました。

ナチス強制収容所があったドゥーダーシュタットのオイツェンベルクはドイツのここにあります。

ドイツのど真ん中に存在したナチス強制収容所については引き続き調べていきます。