ドイツのど真ん中!

ドイツのど真ん中、ゲッティンゲンやアイヒスフェルトを紹介しています。

ゲッティンゲンで今週末、再び不発弾撤去が行われます

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今週の土曜日、9月23日にゲッティンゲンでは再び不発弾の撤去が行われ、2発の不発弾が爆破処理される見込みです。今回も半年前の不発弾処理と同じ場所で、ゲッティンゲンのヴェストシュタット(Weststadt)地区の シュッツェンプラッツ(Schützenplatz)です。


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ゲッティンゲンでたびたび見つかる不発弾ですが、前回は撤去は3月25日に実施され、第二次世界大戦中のアメリカ軍の500キロ爆弾2発が爆破処理されたのでした。

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今回の不発弾撤去の当日は、朝6時に爆弾の埋まっている地点から半径1kmの地域が立入禁止となり、完全に封鎖され、付近の住民は自宅を退去して避難しなければなりません。

またこの1km圏内にはゲッティンゲンの駅も含まれており、列車も止まりません。新しいゼメスター(学期)が始まる時期ですので、ゲッティンゲン大学に留学される方は是非ともご注意ください。この日にどうしても鉄道でゲッティンゲンに入るという方は、途中下車して代行バスに乗り換えることになります。詳しくはドイツ鉄道(DB)のサイトでダイヤをお調べください。

今回も無事に不発弾が処理されることを願います。

専門バカにはなる勿れ

日本語に「専門バカ」という言葉があります。特定の分野には精通しているけれども、それ以外のことや社会常識が欠落している人のことを指す言葉です。

ドイツ語にもまったく同じ意味の言葉があり、Fachidiot(ファッハイディオート)といいます。ファッハが専門、イディオートがバカ、愚か者という意味で文字通り、専門バカ。日本語の専門バカはドイツ語から翻訳されたのではないかと思うほどです。

飾り付けた台車に乗せられてゲッティンゲン大学から新人博士がガチョウ娘の像に到着した

さて、かつてドイツのど真ん中ゲッティンゲンで暮らしていた時に専門バカなのだろうなという感じの人たちに出会ったことがあります。ゲッティンゲン大学はかつてのドイツの四大大学で、学術的な伝統があり、町は大学都市。お世話になったある教授は学者としてはすごい人なのだろうけれど、一般社会では生きてはいけない人なのだろうなと思える方でした。

カメルーン人の友人はある教授に博士号の取得を何年も妨害されていました。学究の徒が人種差別するなど嘆かわしいことです。学問の自由はどこへいったのやら。

また、日本からゲッティンゲン大学にやって来たある研究者は「学術的協力」という訳のわからぬ言葉で人に支援を強要する人でした。それは「学術的協力」ではなく、アカデミックハラスメントだろうと言いたくなりました。浮世離れした大学という狭い世界で生きてきて常識を身につける機会がなかったのでしょうね。

自分の学位や業績、あるいは利益のために人を利用したり、どんな無理筋でも押し通そうとしたりする様は、まるでマッドサイエンティストのようですし、インテリの人たちがマウントを取り合う姿も実に見苦しいものです。

ゲッティンゲンは大好きな町なのですが、一般の社会からは乖離している感じがしており、また学生たちが多く、若者たちのノリについていけなくなることがよくありました。そんな時は普通の人たちが暮らすドゥーダーシュタットに出かけていき、学者ではない友達とお酒を飲んだものです。

学問を究めることは素晴らしいことですが、専門バカにはなる勿れと思いました。

 

ひとつの小さなパン ドイツ人捕虜の詩をもう一度 

今回のブログは以前2019年にも紹介したものです。

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日本では戦争について考えさせられる8月。そしてウクライナでは今も戦争が続いており、ロシアによる戦争犯罪や人権侵害が伝えられています。

ドイツのど真ん中ゲッティンゲンから東へ山を一つ越えていくと、エーバーゲッツェン(Ebergötzen)という小さな町があり、そこにヨーロッパ・パン博物館があります。その博物館ではパンにまつわる詩の葉書が売られていました。『ひとつの小さなパン(EIN STÜCKCHEN BROT) 』という題で、ヘルベルト・ヴェーゲナーというソ連の捕虜となった兵士が1946年に書いた詩です。

ヘルベルト・ヴェーゲナーというドイツ人の捕虜が書いた詩を記したポストカード

 

ひとつの小さなパン

 

ひとつの小さなパン、お前はそれが何を意味するか知っている!

かつてのお前ならば、ハムとバターをのせて、

毎日のようにテーブルに出されたパンを思い出しただろう。

お前は深く考えもせずにそれを手に取った。

ひと切れのパンはお前にとってどんな物だっただろう?

しかし今や、パンはお前にとって神様からの恵みとなった。

苦しみの中ではじめてその意味を学んだのだ。

ひとつの小さなパン、今やお前は感謝の眼差しで手に取る。

ひとつの小さなパンがお前を幸せにすることだってできるのだ。

お前は農民たちを尊敬し、

畑に麦の穂が実り、

夏の風に優美になびくのをふたたび見るだろう。

そうして神様の全能を知るのだ。

それは愛しいパン、大地の黄金だ!

ひとつの小さなパン、もう一度家に帰れたならば、

お前は二度と忘れてはならない。

祈りとともにパンを食べたこと、

どれだけ神聖な物だったかを。

お前が静かに誓ったことを守り続けよ。

幸福にあっても常に苦しい時を思い出せ。

お前の子供に幼いうちから手を合わせ祈ることを教えよ、

「神よ、我らに日々のパンを与え給え!」と。

ソ連の捕虜収容所でどのようなことがあったのか、一切記述はありませんが、捕虜としての過酷な生活が容易にうかがえる詩です。たったひとつの小さなパンがどれほどありがたい物に思えたことか。

ソ連の捕虜となった日本軍の兵士もシベリア抑留がいかに苦しい思いをしたかが今に伝えられています。大した食事も与えられずに過酷な強制労働をさせられており、この詩を書いたヴェーゲナーというドイツ人と同じ体験をしたことでしょう。

そしてロシアに連れ去られたウクライナの人たちのことを思えば、ロシアという国がソ連の時代からほとんど何も変わっていないことに暗澹たる気持ちにさせられます。ウクライナの戦争が1日も早く終わることを願わずにはいられません。

ダルマイヤー・プロドーモをいただきました

定番の金色のパッケージはダルマイヤー・プロドーモ

今月上旬に帰国したミュンヘン在住の友人からお土産にドイツのコーヒーをいただきました。私もドイツのど真ん中に住んでいた時にスーパーの特売で安い時に買いだめしてよく飲んでいた、ダルマイヤー・プロドーモ(Dallmayr Prodomo)です。

コーヒーも御多分に洩れずどんどんと値段が高くなっている今、コーヒーを250グラムもいただけるのはとてもありがたいことです。

平日の朝は小さめのカップで温かいコーヒーが丁度良いです。

猛暑の毎日ですが、コーヒーは暑くてもホット派なので、少しだけ抽出の温度を下げます。90℃を切る熱湯でドリップすると、トロッとした感じの喉越しと旨味を引き出すことができました。やはりミュンヘンのダルマイヤーのコーヒーは美味しいですね。

ゲッティンゲン、次の不発弾処理は9月下旬

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第二次世界大戦中の不発弾が今も地中にたくさん埋まっているゲッティンゲン。

今年3月にも2発の500キロ爆弾が爆破処理されましたが、ゲッティンゲンの地元紙『ゲッティンガー・ターゲブラット(Göttinger Tageblatt)』の報道によれば、それから半年後となる9月最後の土曜日23日に除去されることが決まったそうです。そのため同じ日に開催されるお祭り『ゲンゼリーゼルフェスト(Gänselieselfest)』が中止されます(中止ではなく、10月7、8日に延期となりました)。

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今度は8発もの不発弾が前回の除去と同じゲッティンゲンの西部ヴェストシュタット地区のシュッツェンプラッツ(Schützenplatz)に埋まっています。このシュッツェンプラッツに隣接するシュパールカッセ・アリーナはゲッティンゲンのプロバスケットボールチーム BGゲッティンゲンのホームアリーナで、前回の不発弾処理では屋根の一部が落下する被害がありました。また道路を挟んだ向かい側にある学校のオットー・ハーン・ギムナジウムでも不発弾の捜索が行われています。

ゲッティンゲンではこの数年、年に数回不発弾の処理が行われており、半ば恒例行事になりつつありますが、電車やバスの公共交通機関が止まるなど、いろいろと市民生活に影響が出ています。毎回家を離れて避難しなければならない住民の方たちは本当に気の毒です。9月の不発弾処理が無事に終わりますように。また当日、ICEなどの長距離列車もゲッティンゲンには止まりませんので、出張や留学でゲッティンゲンに行く予定のある方はお気をつけください。

 

7月20日はヒトラー暗殺未遂の日

かなり前のブログに書きましたが、7月20日はクラウス・シェンク・フォン・シュタウフェンベルク伯爵(大佐)が鞄に仕込んだ爆弾でナチスドイツの総統ヒトラーを暗殺する計画「ヴァルキューレ作戦」を実行に移し、暗殺が未遂に終わった日です。

この暗殺未遂事件はトム・クルーズが主演した映画『ワルキューレ』にもなっています。

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私が住んでいたゲッティンゲンの町の一角には暗殺を試みたフォン・シュタウフェンベルク伯爵の名を冠した道路があり、その片隅には彼を祈念する石碑が立っており、毎年7月20日には花輪が備えられていました。今年もきっと花輪が備えられたことでしょう。フォン・シュタウフェンベルク伯爵は翌日銃殺刑に処されました。

ドイツの政府系外郭団体がヤバいことに

www.spiegel.dehttps://www.spiegel.de/politik/deutschland/auslandshandelskammern-wirtschaftsministerium-sieht-hinweise-auf-krumme-geschaefte-a-6b8c60c9-6273-4443-8ab6-837086589f75

ドイツの有力週刊誌デア・シュピーゲル(DER SPIEGEL)』に先日掲載されていたのですが、ドイツの連邦経済エネルギー省が管轄する海外にある外郭団体がヤバいんです。

敢えてこの団体の名称はあげませんが、ドイツ語のできる方やドイツ関連のブログをやっている方ならば、どの団体のことかご理解いただけることでしょう。

シュピーゲル』の記事は有料なので、差し当たり見出しとリード文しか読めませんが、ドイツの連邦経済エネルギー省がこの外郭団体の歪な経営に警告を出しているとのことです。この外郭団体の幹部職員が私服を肥やし、これまでに即時解雇や刑事訴追にまで発展しています。

とても気になる記事だったので、『シュピーゲル』のインターネット版を購読しました。それによると、韓国、インド、アルジェリア、イラン、ペルーなどでこの外郭団体の幹部職員らによる着服や横領、不正支出や経理の改竄などのスキャンダルが発覚しています。ドイツ本国から目の届かない海外の外郭団体が不正の温床になっているようです。

この外郭団体ですが、日本にも事務所があり、このブログでは2年前にそこでのパワハラについて書いています。

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東京のドイツコミュニティーでは、このドイツ経済エネルギー省の外郭団体についてあまり良い話は聞こえてきません。ドイツ人の幹部職員が人間的にかなりヤバい人たちという評判です。