ドイツのど真ん中!

ドイツのど真ん中、ゲッティンゲンやアイヒスフェルトを紹介しています。

コロナ禍の一年、ドイツのど真ん中に思いを馳せる

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アイヒスフェルトのエスプリンゲローデ付近の風景

コロナ禍の1年で、今年はどうやらドイツに行くことができそうもありません。外務省の海外安全ホームページをチェックしてみると、ドイツは依然として渡航中止が勧告されています。事実、ドイツのど真ん中のゲッティンゲンのあるニーダーザクセン州では先週かつてないほどの新型コロナウイルスの感染者が出てしまったとゲッティンゲンの新聞で報道されていました。

一年のうち2週間ほどをドイツのど真ん中で過ごすことで精神の安定を保っているようなところがある私は、ドイツで見た風景や食べた物、ふれ合った人たちとの楽しい思い出に浸ることで一年の残り半分を乗り越えていますので、ドイツに行けない今年はそろそろ心が苦しくなってきている頃です。

仕方がなしにこれまでに撮りためたドイツのど真ん中の写真を眺めていたところ、上の画像が目に止まりました。正確な場所は忘れてしまいましたが、おそらくはアイヒスフェルト(Eichsfeld)と呼ばれる地域にあるエスプリンゲローデ(Espringerode)という村の付近で撮影した風景です。緑の畑の中にぽつんと建つ1軒の赤い瓦屋根の納屋がいかにもドイツ的です。なだらかな丘の向こうに霞む山並みは魔女や悪魔が棲むというハルツ山地(Harz)。私の大好きな風景です。

またこの広々とした風景を見に行けるようになるといいのですが。

 

コロナ禍の秋、ドイツの味覚を日本で

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命の危険を感じるような暑さがようやく収まりましたが、酷暑で蓄積していた夏の疲れがどっと出てしまい、しばらくブログの更新ができずにいました。ただ少し涼しくなってきたので、なくなっていた食欲が回復してきています。

さて9月といえば、ドイツでは発酵中の若いワイン、フェーダーヴァーサー(Federweißer)を飲みながらツヴィーベルクーヘン(Zwiebelkuchen)を食べます。しかし、コロナ禍の今年はドイツに行くことがかないません。なので、日本国内でツヴィーベルクーヘンを食べてきました。

先日、東京の新宿の大ガードから5分ほどにあるワインバーでツヴィーベルクーヘンを出しているのをたまたま店頭のメニューで知り、最近になって改めて食べに行ってみました。これが予想以上に美味しかったのです。

ツヴィーベルクーヘンとは、ドイツ語を直訳すれば、玉ねぎのケーキということになりますが、ドイツの玉ねぎのピザとも日本では呼ばれています。上の画像でご覧のようにトマトソースは使いません。その代わりに生クリームやサワークリームを使います。新宿のワインバーで食べたツヴィーベルクーヘンはフュルンク(Füllung)と呼ばれる具が抜群に美味しかったのです。トロトロに火の通った玉ねぎの甘さが濃厚なクリームとチーズに溶けこんでいました。私の好みで生地はピザよりもパンの方に寄せて欲しかったのですが、とにかく具があまりにも美味しくて、あっという間に平らげてしまいました。ドイツで食べたのよりも美味しかったくらいです。9月中にもう一度食べに行きたいと考えています。あるいは、この秋に自分でも作ってみようかと思います。

ドイツに行けないこの秋、意外に身近なドイツ料理店などで美味しいツヴィーベルクーヘンが食べられるかもしれませんよ。

コロナ禍の夏をドイツの味覚で 2 ローテ・グリュッツェの水出し茶

少し前にドイツからコーヒーが送られてきたと書きました。しかし、梅雨明け後の35℃の気温の中で熱いコーヒーを淹れて飲むのは、さすがにつらいものがあります。また、せっかくのドイツの美味しいコーヒーをアイスコーヒーにしてしまうのはもったいない気がしますし、そもそも私はコーヒーはホット派です。

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そこで思い出したのが、昨年2019年のドイツの旅でお土産に買ってきたローテ・グリュッツェ(Rote Grütze)のフルーツティーがまだ残っていることでした。

ローテ・グリュッツェとは、ドイツではとてもポピュラーなデザートで、バニラソースをかけて食べます。お隣りのデンマークでは、それをロドグロド・メッ・フローデ(Rødgrød med fløde)といいます。

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私は2000年代前半にゲッティンゲンに住んで頃に何度か作ってみたことがあります(上の画像)。イチゴやサクランボ、キイチゴスグリを水とともに煮て、砂糖で甘くして、個々の果実を残しつつ澱粉でゆるめにまとめた物です。赤いベリーに食欲がそそられます。

ドイツのスーパーマーケットのヨーグルト売り場などでバニラソースとパック入りのローテ・グリュツェが売られており、自分で作らずとも買ってきて開封するだけで美味しくいただけます。

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さて昨年のドイツの旅では、ゲッティンゲンを離れる前日に市庁舎前のマルクト広場からほど近いバールフューサー通り(Barfüßerstraße)にあるお茶屋さんテーハウス・カール・シュミット(Teehaus  Karl Schmidt)の店先にローテ・グリュッツェのフルーツティーが並んでいるのを見つけました。ドイツ土産にちょうどいいと思い一袋買い求めました。中身は上の画像でいただけますが、リンゴの果肉、ローズヒップ、ハイビスカスの花にクエン酸と香料。店員さんに訊いてみたら、お湯でも水出しでもかまわないということでした。

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水出しで抽出してみると、ご覧のようなきれいな赤い色のお茶が出来上がります。まさにローテ・グリュッツェのイメージです。味も香りも爽やかでこの酷暑の水分補給にぴったりです。

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今年、琵琶湖のほとりに暮らす友人の庭ではブルーベリーが豊作で、ジャムを作って送ってくれました。ブルーベリーのジャムをグラスに入れて、

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ローテ・グリュッツェのお茶を注いで、甘くしてみました。さらに氷も浮かべて。こういう飲み方もありですね。

また、炭酸水で割って飲むのも美味しいです。

ドイツの他のお茶屋さんには、ドライフルーツのキイチゴを使ったローテ・グリュツェのフルーツティーもあるようですので、試してみたいものです。

コロナウイルスが収束してまたドイツに行けるようになったら、町にあるお茶屋さんで変わったブレンドのお茶を試して買ってみるのも楽しいでしょうね。

コロナ禍で今年はドイツに行けないでいますが、このブログもどうにか350回更新することができました。ストックのネタが多くはありませんが、これからもどうにか書き続けていこうと思います。そして早い時期にドイツに渡れるようになれますように。

学校のために学ぶんじゃない

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                                       Nicht für die Schule lernen wir,

                                 sondern für das Leben.             

                学校のために俺たちは学ぶんじゃない、

                      人生のためだ。

 

ドイツのど真ん中ゲッティンゲンから最も近くにある城、プレッセ城(Plesse Burg)の麓にあるエディゲハウゼン(Eddigehausen)の村で見つけた言葉です。人生を生活と訳してもいいのかもしれませんね。

この言葉についてあれこれ調べてみると、元々は古代ギリシアの政治家で哲学者セネカが弟子に宛てた手紙の一節の、 Non vitae, sed scholae discimus というラテン語のようです。

しかし今回のドイツの言葉では、vitae と scholae が die Schüle と das Leben という風に入れ替わっています。

日本でテレビを見ていると、受験産業のCMをよく目にします。名のある大学に入れれば、より良い人生が拓けるのかもしれませんが、学校や大学で何を学ぶのかが大事ですよね。

コロナ禍の夏をドイツの味覚で

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国内旅行やお盆の帰省すらままならないコロナ禍の夏ですが、先日ドイツから嬉しい荷物が届きました。ここ数年、毎年のようにドイツでご厄介になっているお宅の奥様がアイレス(Eiles)のグルメコーヒー(粉)とシュヴァルタウ(SCHWARTAU)のヒムベアージャムを送ってくださいました。

昨年末にも奥様からはシュトレンやレープクーヘンなどを送っていただき、そのお礼として5月にご主人が最近はまっている日本の枝豆味のスナックを送りました。さらにお返しとして私の大好きなドイツのコーヒーとジャムが届きました。本当にありがたく嬉しいことです。

アイレスのコーヒーはドイツでは珍しい250g×2パックで、それを2つも送っていただきました。1パックを開封し密封容器に移しても、もう1パックは真空パックなので保存ができ、とても使い勝手がいいのです。

梅雨が明けて暑い夏となりましたが、私は毎朝熱いコーヒーをドリップして飲みます。アイレスのグルメコーヒーは深めのローストで、起き抜けの頭にガツンと効いて目が覚めます。

シュバルタウは北ドイツにあるジャムのメーカーで、私の好きなブランドです。ヒムベアーとは、キイチゴラズベリー)のことですが、キイチゴだけできたジャムを日本のスーパーではなかなか見かけません。なのでドイツに行くたびに自宅用にジャムを買って帰ります。爽やかな酸味が美味しくて、私の大好物となりました。本当ならば、今年もドイツに行ってキイチゴのケーキを食べたいところですが、コロナ禍の今年はジャムが凌ぎます。酸味のあるライ麦のパンに塗ると、酸味の相乗効果でさらに美味しく感じます。

新鮮コロナウイルスの感染が収まり、ドイツに再び行けるようになったら、美味しいコーヒーやジャムで朝食を摂ることもおすすめです。

独文やってたという人、ウザくありません?

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ヴィッツェンハウゼンの市庁舎前広場に立つヤーコプ・グリム(グリム兄)の像

2000年代の前半から数年間「ドイツのど真ん中」という同じタイトルでドイツのど真ん中のゲッティンゲンやアイヒスフェルトを紹介するホームページをやっていました。そして2016年からYahooブログで再開しましたが、これまでに何度か、大学で独文(ドイツ文学)をやっていたという、年齢でいえば50代後半から上の年代の人が妙に上から目線の書き込みをしてきて、嫌な思いをしたことがあります。YahooからHatenaブログに引っ越してきてちょうど1年、幸いなことに独文でマウンティングしてくる人はいません。

21世紀も20年代に入り、独文をやってたなんて昔ほど人様に誇れる学歴ではないと思います。私自身ドイツ語の翻訳をやっていて、「ドイツ語ができるなんてすごいですね」と言われることもありますが、ドイツ語を話せることをすごいとは思いません。人それぞれに得意分野があり、私の場合ドイツ語だっただけのことです、と答えるようにしています。

バブルの頃や20世紀後半であれば、ドイツやフランス、ヨーロッパは日本人の憧れの国でした。しかし今は価値観も多様化し、東南アジアの国が好きで、タイ語ベトナム語などを勉強したいと考える人もいれば、実際にその機会もあります。ドイツ語や欧州の言語のニーズは相対的に以前よりも下がっているのではないでしょうか。NHKEテレ(教育テレビ)の仏・独・伊・西の各語学講座も最近では「旅する〇〇語」というタイトルになり、 芸能人が登場する旅行で使えるに語学に特化した番組になっており、本格的にこれらの言語を勉強したい人には物足りない内容になっている気がします。

私自身はドイツが好きでこれからもずっと関わっていきたいとは思いますが、今どき独文やってたと言って絡んでくる人は本当にウザいなぁと感じます。

アイヒスフェルト、聖なる山の修道院

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昨年、2019年のドイツの旅では、ハルツ山地の南麓ヴァルケンリート(Walkenried)にある修道院跡の博物館を訪れました。1525年に農民戦争で破壊されて廃墟となった修道院を博物館として整備したものですが、別の日に現役の修道院を訪れることができました。

この日は、前夜に古城ホテルヴォルフスブルネン城に泊まり、アイヒスフェルト(Eichsfeld)を通ってゲッティンゲンへの帰り道に修道院に立ち寄りました。

修道院ヒュルフェンスベルク(Hülfensberg)とい448メートルの小高い山の上にあり、フュルフェンスベルク修道院(Kloster Hülfensberg)と呼ばれるフランシスコ会修道院です。旧東西ドイツの国境からも近く、冷戦時代に東西に分断されていたアイヒスフェルトのでも東側、現在のテューリンゲン州にあります。

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上の画像、赤い瓦屋根と木造の建物が修道院です。しかし、黒い修道服を着た修道士には出会えませんでした。また日本人の旅行者の私が建物の中に立ち入るのは憚られました。

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修道院のすぐ向には教会もあります。

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そして、その近くには礼拝堂(チャペル)もあります。ヒュルフェンスベルクは古くからアイヒスフェルトの巡礼地であり、「アイヒスフェルトの聖なる山」とも呼ばれ、外科医とは隔絶された祈りのための空間となっています。この日、観光客なのか巡礼者なのか、見学をする人たちもいました。     

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ヒュルフェンスベルクの山の際には大きな十字架も立っており、展望台になっています。

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十字架の展望台、アイヒスフェルトの聖なる山の上からはふもとの村やアイヒスフェルトの丘を望めます。

ヒュルフェンスベルクはドイツのここにあります。