ドイツのど真ん中!

ドイツのど真ん中、ゲッティンゲンやアイヒスフェルトを紹介しています。

コロナ禍の夏をドイツの味覚で 2 ローテ・グリュッツェの水出し茶

少し前にドイツからコーヒーが送られてきたと書きました。しかし、梅雨明け後の35℃の気温の中で熱いコーヒーを淹れて飲むのは、さすがにつらいものがあります。また、せっかくのドイツの美味しいコーヒーをアイスコーヒーにしてしまうのはもったいない気がしますし、そもそも私はコーヒーはホット派です。

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そこで思い出したのが、昨年2019年のドイツの旅でお土産に買ってきたローテ・グリュッツェ(Rote Grütze)のフルーツティーがまだ残っていることでした。

ローテ・グリュッツェとは、ドイツではとてもポピュラーなデザートで、バニラソースをかけて食べます。お隣りのデンマークでは、それをロドグロド・メッ・フローデ(Rødgrød med fløde)といいます。

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私は2000年代前半にゲッティンゲンに住んで頃に何度か作ってみたことがあります(上の画像)。イチゴやサクランボ、キイチゴスグリを水とともに煮て、砂糖で甘くして、個々の果実を残しつつ澱粉でゆるめにまとめた物です。赤いベリーに食欲がそそられます。

ドイツのスーパーマーケットのヨーグルト売り場などでバニラソースとパック入りのローテ・グリュツェが売られており、自分で作らずとも買ってきて開封するだけで美味しくいただけます。

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さて昨年のドイツの旅では、ゲッティンゲンを離れる前日に市庁舎前のマルクト広場からほど近いバールフューサー通り(Barfüßerstraße)にあるお茶屋さんテーハウス・カール・シュミット(Teehaus  Karl Schmidt)の店先にローテ・グリュッツェのフルーツティーが並んでいるのを見つけました。ドイツ土産にちょうどいいと思い一袋買い求めました。中身は上の画像でいただけますが、リンゴの果肉、ローズヒップ、ハイビスカスの花にクエン酸と香料。店員さんに訊いてみたら、お湯でも水出しでもかまわないということでした。

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水出しで抽出してみると、ご覧のようなきれいな赤い色のお茶が出来上がります。まさにローテ・グリュッツェのイメージです。味も香りも爽やかでこの酷暑の水分補給にぴったりです。

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今年、琵琶湖のほとりに暮らす友人の庭ではブルーベリーが豊作で、ジャムを作って送ってくれました。ブルーベリーのジャムをグラスに入れて、

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ローテ・グリュッツェのお茶を注いで、甘くしてみました。さらに氷も浮かべて。こういう飲み方もありですね。

また、炭酸水で割って飲むのも美味しいです。

ドイツの他のお茶屋さんには、ドライフルーツのキイチゴを使ったローテ・グリュツェのフルーツティーもあるようですので、試してみたいものです。

コロナウイルスが収束してまたドイツに行けるようになったら、町にあるお茶屋さんで変わったブレンドのお茶を試して買ってみるのも楽しいでしょうね。

コロナ禍で今年はドイツに行けないでいますが、このブログもどうにか350回更新することができました。ストックのネタが多くはありませんが、これからもどうにか書き続けていこうと思います。そして早い時期にドイツに渡れるようになれますように。

学校のために学ぶんじゃない

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                                       Nicht für die Schule lernen wir,

                                 sondern für das Leben.             

                学校のために俺たちは学ぶんじゃない、

                      人生のためだ。

 

ドイツのど真ん中ゲッティンゲンから最も近くにある城、プレッセ城(Plesse Burg)の麓にあるエディゲハウゼン(Eddigehausen)の村で見つけた言葉です。人生を生活と訳してもいいのかもしれませんね。

この言葉についてあれこれ調べてみると、元々は古代ギリシアの政治家で哲学者セネカが弟子に宛てた手紙の一節の、 Non vitae, sed scholae discimus というラテン語のようです。

しかし今回のドイツの言葉では、vitae と scholae が die Schüle と das Leben という風に入れ替わっています。

日本でテレビを見ていると、受験産業のCMをよく目にします。名のある大学に入れれば、より良い人生が拓けるのかもしれませんが、学校や大学で何を学ぶのかが大事ですよね。

コロナ禍の夏をドイツの味覚で

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国内旅行やお盆の帰省すらままならないコロナ禍の夏ですが、先日ドイツから嬉しい荷物が届きました。ここ数年、毎年のようにドイツでご厄介になっているお宅の奥様がアイレス(Eiles)のグルメコーヒー(粉)とシュヴァルタウ(SCHWARTAU)のヒムベアージャムを送ってくださいました。

昨年末にも奥様からはシュトレンやレープクーヘンなどを送っていただき、そのお礼として5月にご主人が最近はまっている日本の枝豆味のスナックを送りました。さらにお返しとして私の大好きなドイツのコーヒーとジャムが届きました。本当にありがたく嬉しいことです。

アイレスのコーヒーはドイツでは珍しい250g×2パックで、それを2つも送っていただきました。1パックを開封し密封容器に移しても、もう1パックは真空パックなので保存ができ、とても使い勝手がいいのです。

梅雨が明けて暑い夏となりましたが、私は毎朝熱いコーヒーをドリップして飲みます。アイレスのグルメコーヒーは深めのローストで、起き抜けの頭にガツンと効いて目が覚めます。

シュバルタウは北ドイツにあるジャムのメーカーで、私の好きなブランドです。ヒムベアーとは、キイチゴラズベリー)のことですが、キイチゴだけできたジャムを日本のスーパーではなかなか見かけません。なのでドイツに行くたびに自宅用にジャムを買って帰ります。爽やかな酸味が美味しくて、私の大好物となりました。本当ならば、今年もドイツに行ってキイチゴのケーキを食べたいところですが、コロナ禍の今年はジャムが凌ぎます。酸味のあるライ麦のパンに塗ると、酸味の相乗効果でさらに美味しく感じます。

新鮮コロナウイルスの感染が収まり、ドイツに再び行けるようになったら、美味しいコーヒーやジャムで朝食を摂ることもおすすめです。

独文やってたという人、ウザくありません?

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ヴィッツェンハウゼンの市庁舎前広場に立つヤーコプ・グリム(グリム兄)の像

2000年代の前半から数年間「ドイツのど真ん中」という同じタイトルでドイツのど真ん中のゲッティンゲンやアイヒスフェルトを紹介するホームページをやっていました。そして2016年からYahooブログで再開しましたが、これまでに何度か、大学で独文(ドイツ文学)をやっていたという、年齢でいえば50代後半から上の年代の人が妙に上から目線の書き込みをしてきて、嫌な思いをしたことがあります。YahooからHatenaブログに引っ越してきてちょうど1年、幸いなことに独文でマウンティングしてくる人はいません。

21世紀も20年代に入り、独文をやってたなんて昔ほど人様に誇れる学歴ではないと思います。私自身ドイツ語の翻訳をやっていて、「ドイツ語ができるなんてすごいですね」と言われることもありますが、ドイツ語を話せることをすごいとは思いません。人それぞれに得意分野があり、私の場合ドイツ語だっただけのことです、と答えるようにしています。

バブルの頃や20世紀後半であれば、ドイツやフランス、ヨーロッパは日本人の憧れの国でした。しかし今は価値観も多様化し、東南アジアの国が好きで、タイ語ベトナム語などを勉強したいと考える人もいれば、実際にその機会もあります。ドイツ語や欧州の言語のニーズは相対的に以前よりも下がっているのではないでしょうか。NHKEテレ(教育テレビ)の仏・独・伊・西の各語学講座も最近では「旅する〇〇語」というタイトルになり、 芸能人が登場する旅行で使えるに語学に特化した番組になっており、本格的にこれらの言語を勉強したい人には物足りない内容になっている気がします。

私自身はドイツが好きでこれからもずっと関わっていきたいとは思いますが、今どき独文やってたと言って絡んでくる人は本当にウザいなぁと感じます。

アイヒスフェルト、聖なる山の修道院

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昨年、2019年のドイツの旅では、ハルツ山地の南麓ヴァルケンリート(Walkenried)にある修道院跡の博物館を訪れました。1525年に農民戦争で破壊されて廃墟となった修道院を博物館として整備したものですが、別の日に現役の修道院を訪れることができました。

この日は、前夜に古城ホテルヴォルフスブルネン城に泊まり、アイヒスフェルト(Eichsfeld)を通ってゲッティンゲンへの帰り道に修道院に立ち寄りました。

修道院ヒュルフェンスベルク(Hülfensberg)とい448メートルの小高い山の上にあり、フュルフェンスベルク修道院(Kloster Hülfensberg)と呼ばれるフランシスコ会修道院です。旧東西ドイツの国境からも近く、冷戦時代に東西に分断されていたアイヒスフェルトのでも東側、現在のテューリンゲン州にあります。

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上の画像、赤い瓦屋根と木造の建物が修道院です。しかし、黒い修道服を着た修道士には出会えませんでした。また日本人の旅行者の私が建物の中に立ち入るのは憚られました。

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修道院のすぐ向には教会もあります。

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そして、その近くには礼拝堂(チャペル)もあります。ヒュルフェンスベルクは古くからアイヒスフェルトの巡礼地であり、「アイヒスフェルトの聖なる山」とも呼ばれ、外科医とは隔絶された祈りのための空間となっています。この日、観光客なのか巡礼者なのか、見学をする人たちもいました。     

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ヒュルフェンスベルクの山の際には大きな十字架も立っており、展望台になっています。

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十字架の展望台、アイヒスフェルトの聖なる山の上からはふもとの村やアイヒスフェルトの丘を望めます。

ヒュルフェンスベルクはドイツのここにあります。

ザルツデアヘルデン、製塩所の塔が焼失

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昨年、2019年のドイツの旅で訪れたザルツデアヘルデン(Salzderhelden)にある製塩所の掘削塔が先々週の金曜日の夜に放火によって完全に焼失してしまいました。地名のザルツデアヘルデンとはドイツ語で「英雄たちの塩」という意味で、昔から塩を取れたということが分かります。しかしドイツのど真ん中、つまりヨーロッパの内陸部にあるこの製塩所では、海水から塩を作るのではなく、地中360メートルから塩分を含んだ水を汲み上げて製塩していました。

焼失前の掘削塔は1882年に建てらたものですが、1963年には製塩所は操業を停止しており、現在は地元の歴史的、文化的な建築物として公開されていました。

少し前にゲッティンゲンの新型コロナウイルスの集団感染をブログに書きましたが、その後どういう経過なのかを知ろうとゲッティンゲンの地元紙のサイトを見ていたら、この掘削塔の放火焼失の報を知りました。さらにくわしくは、アインベック(Einbeck)の地元紙、アインベッカー・モルゲンポスト(Einbecker Morgenpost)紙の記事でご覧になれます(ドイツ語)。また、NDR(北ドイツ放送)のサイトで火事の動画を見ることができます。

ザルツデアヘルデンの村はアインベック市の一部なのですが、最近アインベックでは、古着を回収するコンテナが放火されるなどの連続放火事件が起きており、容疑者の女が逮捕されたそうです。

2000年代の前半には、ゲッティンゲンの聖ヨハニス教会の尖塔が放火されるという事件も起きました。

昨年訪れて、ブログに紹介した建物がこんな愚かしいことでなくなってしまったことは大いにショックで残念でなりません。

話は変わりますが、ゲッティンゲンでの集団感染は落ち着きを取り戻しているというメールを現地在住の友人からもらいました。その友人は昨日から2週間の予定で地中海にあるスペインの島にバカンスに出かけてしまいました。コロナ禍が完全に収束していないのに、EU域内とはいえ、外国旅行に出掛けるとは友人のことが少々心配です。

ヒムベアー(Himbeere) のジャム 2020

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7月からEUの圏内に私たち日本人が再び入国できるようになりましたが、新型コロナウイルス感染症が収まってはいないので、ドイツやヨーロッパに行くことはまだ現実的ではありません。

しかし、そんなコロナの夏にあってもドイツの味覚は楽しみたいものです。毎年春から夏にドイツを訪れると、私はヒムベアー(Himbeere:キイチゴ)を堪能します。ドイツに行くことができない今年の夏はヒムベアーのジャムでどうにか凌いでいます。このジャムは、昨年のクリスマスに毎年ご厄介になっているゲッティンゲンの奥様から送っていただいたプリンテンシュトレンに同梱していただいたものです。EDEKA(エーデーカー)というスーパーマーケットのプライベートブランドの製品ですが、ラベルに Bio とプリントされているので、有機農法によって栽培されたキイチゴということでしょう。

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先日送っていただいたヒムベアーのジャムを開けて、このところ朝食のトーストに塗って食べています。パンはスーパーで売っているごく普通の食パンです。

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しかし、時にはドイツ風にライ麦のパンにヒムベアーのジャムを塗って食べます。酸っぱいライ麦パンに甘酸っぱいヒムベアーは相性が良く、酸味の相乗効果でとても美味しいですよ。

このパンは主に東京にある紀ノ国屋というスーパーのベーカリーやパン売り場で買うことのできるハパン・ルイス・ヴォッカというフィンランド風のパン。紀ノ国屋ではドイツのパンも各種売っているのですが、このフィンランドパンはドイツで食べるライ麦によく似た味で、お店によっては半斤に切って売られており、170円と値段もかなりお得でとても気に入っています。

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ヒムベアーですが、日本でいうキイチゴ。ということは、日本国内にも自生していますし、栽培している方もいるでしょう。先日、身近な人が庭に自生しているキイチゴを収穫して、ジャムを作ってくれました。手作りのジャムはドイツのヒムベアージャムに比べてかなり酸っぱめですが、爽やかでとても美味しいです。ジャム作りの趣味がある方はトライしてみてもいいのではないでしょうか。

2020年の夏は、ドイツに行けないフラストレーションをヒムベアーのジャムでどうにかなだめています。またドイツに行ってヒムベアーのケーキを思う存分食べたいものです。